like cures like

似たものが似たものを癒す

 Homeopathy(ホメオパシー)は日本では“類似療法”と訳されます。名前の由来は、ギリシア語のHomoios(似ている)とPatheia(苦しみ・病)です。

 

  古代ギリシアのヒポクラテスの時代から、病は似たものと反対のものの二通りの治し方がありました。

 反対のものは、例えば熱が出たら冷やす、体が冷えたときにお風呂に入ることなどです。

 似たものとは、日本では昔からおばあちゃんの知恵袋のように、風邪を引いて喉が痛い時にネギを首に巻いたり、ショウガ湯を飲んだりしたことに代表されます。ネギもショウガも食べると辛いし刺激がありますね。

 このように、通常では刺激のあるものも、同じような痛みや辛さのある時には癒しの効果が表れるのです。

 また、辛く悲しいことがあった時、「くよくよせずに元気出せよ!」と言われるとどうですか?無理にお笑い番組を見て明るい気分になろうとしますか?それとも悲しい曲を聴いて浸ったり、自分と同じような体験をした人に話を聞いてもらったりするのとどちらが癒されますか?

 

 反対のもので治そうとしても、身体は元の状態に戻ってしまいます。お薬で熱を下げようとしても、薬の効力が弱まればまた熱が上がってきます。痛み止めなども一時的な緩和に過ぎません。

 ホメオパシーではその症状に似た症状を持つレメディによって、自ら治ろうとするちからが発揮されるため、症状は穏やかに消えて行きます。


 「似たものが似たものを癒す」、これは「健康な人が摂り、ある症状をひき起こせるものは、それと似た症状を持つ人を癒すことができる」ということです。

 

 ハーネマンがこの類似の法則に気づいたきっかけは、当時マラリアの特効薬として使われていたキナ皮を自身で飲んだことからでした。何故このキナ皮がマラリアに効くのかを疑問に思ったハーネマンは、健康であったにもかかわらずキナ皮を摂ってみました。すると、悪寒・発熱・衰弱といったマラリアそっくりの症状が出たのです。しばらくするとその症状は治まりましたが、再び摂ってみてもまた同じ症状が表れました。

 同様に他の特効薬とされるものも、その薬が効くと言われている病気の症状が表れました。ハーネマンはこの研究を何年も続け、その病気に効くと言われている薬は、健康な人にその病気と同じような症状を表すことができるということに確証を得たのです。

 

サミュエル・ハーネマン ホメオパシー

ワシントンDCにあるハーネマンの記念碑